Vol.79 礼拝行脚
2001.12.25


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礼拝行脚・・・・・・・

ホンダラを信仰するということ、これすなわちホンダラに対する絶対的な服従を意味する。
その服従の表現方法は様々である。礼拝・布教・マイケル富岡の奨励などはその代表的服従表現といえよう。口先のみでホンダラの信仰を公言するのみでは、それは何の意味もなさない。行動を以ってホンダラに対する服従を実際に表し、教えを忠実に遵守することこそが、真の信仰形態と言えよう。
その表現方法を集団にて執り行う場のひとつとして、礼拝行脚が用意されている。
日本ホンダラ教会の教えを守らんとする紳士淑女が集結し、礼拝を行いながら遥かなる道を歩き続ける。これが礼拝行脚の要約である。その道程は一般成人が半日で歩く程度の距離が目安とされており、日本ホンダラ教会のあらゆる行事の中においても有数の荒行として知られているのだ。
日本ホンダラ教会では礼拝行脚を信者の義務とは定めてはいない。しかしながら、壮大な大地を礼拝を行いながら練り歩くという体験が今後のホンダリストとしての成長に大きく寄与することは揺るぎ無い真実なのだ。

・・・・・ガルシア=エステファン(ムーングロウ魔法大学 教授)



開催自体は兼ねてより決定していたものの、延期に次ぐ延期という憂き目に遭った行事。それがこの礼拝行脚だ。関係者各位には開催が遅れたことを詫びねばなるまい。しかしようやく開催にこぎつけることが出来たことは、司教として喜びに堪えない。
礼拝行脚についての説明はエステファン教授の説明を参照して欲しい。とにかく、荒行である。参加者全員が完遂することは恐らく不可能であろう。
通常、イベントを行う前には多少なりとも打ち合わせをするものだ。しかし、今回はスケジュールの都合で打ち合わせをすることが全く出来なかった。
一応概要は決めていたのでなんとかなるかも知れんが、正直不安である。コブシノスケが言うとおり、ホンダラ教の「イベントぶっつけ本番伝説」が増えるのである。

あ、「増える」ってことは以前にもあったってことになるな。バレては仕方ない。イベント打ち合わせをしなかったのは、これが初めてではない。



この日は平日。それほど多くの信者は集わないだろうと踏んでいた俺であったが、18名もの信者がバッカニアーズデンの集合地に詰め掛けた。驚きだ。
このイベントの発案者は当教団宣教師長・ムーンムーンだ。スケジュールが合わず、これまで幾多のイベントに参加することが叶わなかった彼にとっては、これまでのホンダラ信者としての人生の中で最大の見せ場である。緊張の色は隠せない。
そのムーンムーンが開会の挨拶を行った。今日の礼拝行脚を成功させ、以後もホンダラの布教・信仰を深めることを全員で誓った。
この時のムーンムーンにボケは無かった。

さて、今回の道程について説明しよう。
一行はバッカニアーズデンの地を散歩してウォーミングアップをした後、ブリテインに向かう。ブリテインからはユーまで歩き続ける。道中数箇所にて休憩をとりながらホンダラの歴史について触れていく。
以上が今回のイベントの概要である。



このバッカニアーズデンも、ホンダラ教とは遠からぬ縁のある地である。
一行はバッカニアーズデン名物・風呂場に到着した。この風呂場とホンダラ、一体何の関係があるのか。決して司教が女湯を覗きに来ているわけではない。

この風呂場前広場こそ、記念すべきホンダラ教最初のイベント・宝くじの抽選会場なのである。積極的にイベントを推進していくホンダラ教の原点がここにあるというわけだ。



そんな神聖極まりないこの地で、一行は熱い礼拝を敢行。さすがにこの人数が同時に礼拝を行うと、皆の動作が鈍くなる。

我等の一人が何かに気付いたようだ。

一瞬、サウザンド宣教師が見えた

今日は参加をしていないはずのサウザンドを見たという報告は、この後も多数寄せられた。風呂場からサウザンドの鼻歌が聞こえてきたという説まで浮上、辺りは一時騒然とした。



サウザンドは結局見つからずじまい。真相は解明されぬままであった。

どうでもいいことではあるが、この風呂場には重要な欠陥があることを指摘しなければならないだろう。
中に入るといきなり浴槽。脱衣場と思しきスペースは、その奥にあるのだ。
しかも脱衣場はたったの一つ!これではプライバシーもヘッタクレもあるまい?



細かいツッコミもそこそこに、一行はブリテインに移動した。いよいよこれから、ユーまでのロングウォークの始まりだ。
しかしながらすごい数の参加者だ。今日は波乱の予感がする。



カクカクしたぎこちない動きの中、一行はユーへと足を運び出した。
この人数で移動すれば、動きが滑らかで無くなるのも当然といえば当然。大丈夫だろうか?



予感は的中、この時点で数人の落伍者が出た。
ここはブリテイン西に位置する渓谷だ。ブリテインからそれほど離れていないこの地に到達した時点で数名の落伍者・・・・。大丈夫だろうか。

さて、この渓谷もホンダラの歴史と切っても切り離すことの出来ない出来事が起きた場所なのである。知らなかっただろう?

まだ悟りを開いてホンダラの教えを広める前のこと、現司教・Doug Westは、ブリタニアに移住してからまだ間もないころの話である。
まだまだ見たことのない地が多かったWestは、見聞を深めるために世界各所を行脚していた。不覚にもDoug Westは道に迷ってしまい、ブリタニア移住後初めて他の人に今の所在地を尋ねるという屈辱にまみれたことがあった。
この事件があったのが、なにを隠そうこの地なのである。
今考えると、この地はブリテインから歩いて数分の至近距離。どうやら俺は信者に自らの恥をさらけ出してしまったようだ。
これから以後一日中ずっと彼ら信者の顔から、司教に対する引きつった笑いが消えることがなかった。

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